こんにちは
秋をまじかに控え、冬を迎える頃の体力に影響を与える日々の食生活はおろそかにすることが出来ません。
今回は漢方でもよく用いる滋養作用のある棗(なつめ)についてとりあげようと思います。
棗の果実は生薬名「大棗(たいそう)」としてさまざまな処方に配合されます。
他の生薬との調和や他薬の刺激性を緩和する目的で使われ、例えば風邪の初期に使う葛根湯や、頭痛に用いる呉茱萸湯(ごしゅゆとう)などに含まれます。
一方、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)は処方名に大棗の名前が入るので主薬となり、精神安定作用を目的としています。
日本では棗の葉を愛でるために庭に植えますが、中国や韓国では日常生活に非常に密接な食材として親しまれています。
棗の果実を韓国料理では参鶏湯(さむげたん)の材料に使い、中国では紀元前から重要な果物の一つとして栽培されてきました。古来より縁起が良いとされ、結婚の儀式の中で、韓国では沢山子供が授かるように、中国では早く子供が授かるように、と共通の目的で棗を用いました。
これらの古来の慣わしに密かに肖ろうかと思っている私です。
東町ヴェルペン薬局